台風と川の健全性=増水による攪乱の必要性
いよいよ台風が近づいてきたのか、外は大雨です。
さて、台風に限らず、大雨で川が増水すると生物が全部流されてしまうんじゃないかとか、濁りでやられちゃうんじゃないかとかいろいろ心配になります。
が、実はこういった自然現象は大なり小なり過去から繰り返されていることで生き物はそんなに簡単にはやられません。
それどころか、実に重要な役割を果たしているのです。
まず第一に、川底の石などを転がしたり、掘り返したりする効果です。
川には石が多くありますが、大雨が降らず、流量の変化がないと隙間に砂や泥がたまって固定されます。これを川底のアーマー化、と呼びます。すると隠れ家や産卵場が無くなるのはもちろん、餌となる川虫もぐっと減少します。生息上、繁殖場の喪失に加え餌まで無くなれば生物の生存量がぐっと減るのは当たり前です。大雨と言うか増水による攪乱はここが重要です。
そして、石の表面に生えた藻等も水と砂がやすりの役割をはたしてすっきり綺麗にしてくれます。
第二に、川岸や流路の攪乱です。増水すれば、当然水かさが増します。普段陸上に有って木や草が生えている所にも水が来るし、増水の規模によっては、倒れたり流されたりします。
流されるというのが重要で、川の、いわゆる堤防内に攪乱がないと、大木が育ってしまいます。
そうなると、大規模な増水が来た時に流れの妨げとなり、堤防や橋の破壊を招きかねません。
生き物の営みを維持すると同時に、人間の生活を維持するためにも、増水や大雨は必要なことなのです。
雨が降れば写真を撮りにも行けないし、もちろん川遊びもできなくなりますが、これも必要なことなのだとぐっと我慢して、増水時には川に近づかず、落ち着くのを待ちましょう。
無理しても良いことはないと思いますよ。
とは言え、自分が出かけたいときには増水しないで欲しいな~(本音)
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